メディア時評(2020.12~)

 

 メディアをめぐる情報の共有、意見交換のページです。 

  菅首相が生出演したNHK「ニュース9」で、キャスターの質問が「学術会議の任命拒否」におよび、「事前の打ち合わせと違う」として、内閣広報官がNHK政治部長に圧力をかけた? ことが問題になっています。

 さらに、委縮や忖度を狙ったのか、官邸サイドが「NHKや民放の各番組をエアチェック」の報道にあるように、政権によるメディアへの締め付けが露骨になってきています。  

 このページでは、メディアに関わる記事や論評などの情報を共有し、意見交換ができることを目的としています。 

                                                          


2022.03.03  平林光明(放送を語る会・大阪)
                   
◎ウクライナ問題の根幹は軍事同盟
 ロシアが一方的にウクライナに侵攻を始めて、3日で1週間になる
この間メディアの報道は当然ながらコロナを押しのけて、この問題が大きなウエイトを占めている。
今時100年近く前の“満州事変”を思わせるストーリーの、古典的な侵略戦争を始める国があるとは驚くが、飛び交う発表や報道も大本営発表や
情報操作の類が目につく。それでも映像やSNS時代らしく、合成や捏造映像も出回っていると言われ(ロシアのヘリ群の超低空飛行映像など)何がファクトか見極めるのが大変である。
 いずれにしても侵略が始まった今は1日も早く、停戦と原状回復に世界の力を集中させる必要がある。
政府レベルではかなり一致した対応が行われているが、肝腎の世界各国・国民による抗議の圧力がコロナ下で大きなうねりを起こせていない
のが残念である。
 侵略が始まる前の報道も含めて、ロシアの焦りの原因はNATOの東方拡大が指摘されており、それは当たっているが、だから軍事同盟はなく
す必要があるという根本にまで触れての報道が無いのは、事の真相をえぐり出す上で不十分だと言わざるを得ない。
ロシア側からすれば冷戦時代NATOとの軍事境界線は、東欧諸国との国境線だったが、“東欧の春”を経て境界は旧ソ連邦諸国まで後退、さらに
ソ連邦解体でロシアそのものがNATOと相対する可能性も出てきている。
ロシアも旧構成国との間でCSTOという軍事同盟を結んでいるが、わずか6か国で力の差は歴然としている。
それがウクライナの動きで現実となったことで暴発したと考えるのが自然である。
とにかく今は停戦とロシアの撤退を勝ち取ることが先決だが、その先の根本解決を図る際には軍事同盟の廃止というところへ世界の世論を
導いていくのが、識者やマスメディアの役割ではないだろうか
                    

2022.01.04 今井 潤(放送を語る会)

 

 読売新聞と大阪府の包括連携協定について、抗議の署名活動が続いていて、1月4日現在22000を超え、25000をめざしています。
ジャーナリスト有志だけでない、多くの市民が抗議し、日本の民主主義の崩壊につながる動きに警戒心を強めています。
「放送を語る会」の皆さんの賛同を呼びかけます。        

           


2021.12.31 今井 潤(放送を語る会)

 

 12月27日、読売新聞と大阪府が8項目の『包括連携協定』を結んだそうですが、さっそくリベラル系のユーチューブから

大きな批判が寄せられています。抗議署名も集まっているとのことです。
IRでカジノ推進、万博推進など維新の政策を大手メディアぐるみで進める戦略であることは明白です。
 また、和泉洋人という悪名高い官僚がこの8月維新の参謀についたということです。

彼は学術会議の6名の任命拒否に関わり、辺野古基地建設のごり押しをすすめる補佐官だった人物です。
 こういった大阪維新をめぐる動きについて情報交換を活発にしていきたいと思います。

                


2021.12. 8 山村惠一(大阪)

 「開戦80年」の日の新聞ラテ欄より

 

 12月8日真珠湾攻撃から80年の日、先の戦争に対する各テレビ局の構えを、朝日新聞(大阪)朝刊ラテ欄から読み取ろうと確認してみた。(赤線アンダーライン)

 NHKテレビは5:00の「おはよう日本」から11:35の「Nスぺ」(再)までのニュース枠に「歴史探偵」やスペシャル、さらに、地域局発の番組にも「開戦80年」番組が重層的に編成されいて意気込みが感じられる。

 一方、民放テレビの編成を見ると、ただ1件報道ステーション(ABCテレビ)「真珠湾攻撃から80年」のみで、ニュース枠でも「前澤氏宇宙旅行」と「紀州のドンファン遺産問題」が占めている有様である。放送では「開戦80年」に触れらえるものとは思うが、新聞ラテ欄は、短文であるが各放送局が何を伝えたいかその姿勢が示されている。「開戦80年」でなく野次馬的興味を煽る民放局に、ジャーナリズムはどこに?と問いたいものである。


2021.12. 1   増田康雄

 【伝言館声明】 
  原発題材の演劇を放送から排除した福井ケーブルテレビについて
             

「伝言館」は1972年に日本学術会議が初めて開催した原子力発電に関するシンポジウムで提起された「6項目の点検基準」を支持している。
それらは、❶対米従属の開発体制ではないか、❷経済開発優先主義ではないか、❸地域に根ざした内発的な開発計画を阻害しないか、❹軍事利用への歯止めは十分か、❺原発労働者と地域住民の生活と生命の安全を保障し、環境を保全する実証的な歯止めがあるか、❻民主的な原子力行政が保障されているか、である。伝えられるところによると、福井ケーブルテレビは、毎年参加全校の作品を紹介している福井県高校演劇祭の作品のうち、今年は、原発を題材とした県立農林高校演劇部の作品のみを放送しなかった。
理由は「せりふに差別的な用語があった」ということだが、それは1983年に敦賀市長が講演会で、「放射能の影響で将来に障害のある子が生まれる恐れはあるが、交付金などが入るため原発は誘致すべきだ」と発言した内容を紹介したものであって、同校演劇部が批判的な観点からその発言を引用したことは疑うべくもない。
「差別的な用語」を用いてまでも原発を誘致した地方行政の姿勢を紹介する演劇が、まさに「差別的な用語が使われているから」という理由で放送禁止になるならば、「差別的な用語」を用いた為政者の姿勢は将来にわたって人々に伝えられないことになる。

 

「伝言館」は、「6項目の点検基準」の❻に含まれる「批判を抑圧・排除していないか」という基準に照らして、福井ケーブルテレビのこうした措置を断じて認めることは出来ない。判断を撤回し、同校の作品が放送の機会を与えられるべきであることを強く要請する。

              

伝言館館長 早川篤雄/副館長 安斎育郎・桂川秀嗣)  以下朝日新聞デジタルより

 福島県楢葉町大谷の宝鏡寺境内に11日、原発事故の教訓を伝える施設「伝言館」が開館した。在野の目線で事故の被害や教訓を伝えるのが特徴。

式典に集まった130人が「原子力被害をもう出さない」と誓い合った。 同館は木造2層建て。長年、原発反対運動に取り組んできた「館長」の早川篤雄住職が賠償金など私費を投じて建設した。1階には「エネルギー・アレルギー」と原発推進を謳(うた)う旧科学技術庁のポスターや除染の写真汚染水や震災関連死についての説明パネルなど約100点を展示する。 

 地階では広島、長崎の原爆被害に関する資料、米国の水爆実験で被曝(ひばく)した第五福竜丸に降った「死の灰」などを展示。

同館脇には約30年間、東京の上野東照宮境内で灯(とも)されてきた「非核の火」も移した。

 早川さんは「データの捏造(ねつぞう)や改ざん、事故隠しを続けてきた。起きて当たり前の事故だった」と強調。

ともに活動してきた立命館大学の安斎育郎名誉教授も京都から駆け付け「ホームページを作り、世界にも発信したい」。

広島、長崎両市長もメッセージを寄せた。