《 NHK BS-1 スペシャル「河瀨直美が見つめた東京五輪」字幕問題 》


 2022.09.09   

 BPO(放送倫理・番組向上機構))の放送倫理検証小委員会は、

 当該番組は「重大な放送倫理違反があった」する意見書を公表

 

 【放送倫理検証委員会決定 第43号 】

  (決定全文は下段のPDFファイル)                            

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放送倫理検証委員会決定43号.pdf
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2022.09.19 総務省は16日、情報流通行政局長名の文書で

       「国民視聴者の信頼を著しく損なうものであり、公共放送としての社会的責任に鑑み、誠に遺憾」

       などとNHKを注意する行政指導をした。(朝日新聞報)

                     

2022.09.22    NHKの林理恵メディア総局長(専務理事)は21日の定例記者会見で(BPOの指摘に)

      「取材、編集、試写の各段階に問題があり、デモや社会運動に関心が薄く、取材相手への配慮や誠意を欠いていた

       という指摘を真摯に受け止めている」と述べ、改めて謝罪した。

      山内昌彦理事は「今回の厳しい意見書の根幹は、そもそもジャーナリストとして、放送人としての基本がなって

      いないんじゃないかという指摘だったと思う」と述べた。(朝日新聞報)


[字幕問題の経過]

               

「五輪デモに参加しているという男性」「実はお金をもらって動員されていると打ち明けた」と、事実と違う字幕をつけた番組の放送後、問い合わせや批判に対しNHKが謝罪。その後の説明でも虚偽があり再度の謝罪となった。NHKは「調査チーム」を設置し原因や問題の背景を把握するとしている。 

 2021年12月26日 BS1スペシャル「河瀨直美が見つめた東京五輪」前編50分・後編49分放送 12月30日再放送

 2022年   1月9日  NHK大阪放送局陳謝「字幕の一部に不確かな内容」

          NHKBS1 陳謝放送 テロップ+アナウンス(2分間)

     1月10日 河瀨監督コメント「公式チームが取材した事実と異なる内容が含まれていたことが、本当に残念」

     1月12日 NHK、経営委員会に「チェックシートの確認怠る」と報告

     1月13日 前田晃伸NHK会長、角英夫大阪放送局長、陳謝

          前田会長「不確かな事実をそのまま字幕・・チェック機能が働かず、率直に言って非常にお粗末・・・」

          正籬聡放送総局長「チェック体制不十分。・・・事実関係の確認という極めて基本的な確認が十分でなかった」

          角大阪局長「番組の構成に意識が向き、真実に迫る姿勢を欠いていた。あの字幕はいれるべきでなかった」

     1月14日 BPO(放送倫理・番組向上機構)審議するか討議開始

     1月19日 NHK定例記者会見「字幕の内容は事前に関係者に確認」としていたが、当該の島田監督から抗議(20日)を受け

     1月24日 NHK定例記者会見 実際には確認しておらず「経緯説明が虚偽」と明らかにし、島田監督に謝罪(22日)

          NHKは「BS1スペシャル調査チーム」を設置 責任者:松阪専務理事

                 2月5日 番組について、リモート討論会モニターカフェ開催(放送を語る会東京・大阪共同)

          当会他2団体が共同で「踏み込んだ調査と納得できる説明で視聴者の信頼回復を」をNHKに郵送

     2月10日 「調査チーム」調査報告公表(下方のPDFファイルをダウンロードしてお読みください)

                2月10日 BPO(放送倫理・番組向上機構)  放送にいたる経緯等について検証の必要があるとして審議入りを決めた。(BPOホームページより)

     2月12日 NHK 地上波、BSで調査報告公表をニュースで流す。

 

 この間、五輪開催に反対する市民団体からの抗議がNHKにあった。また、新聞メディアにも各段階で経過や主張が報じられた。 

  


2022.09.17 『BPO意見・第43号』を読んで  K.F(放送を語る会・大阪)

 全17ページの『NHK-BS1 東京五輪に関するドキュメンタリー番組への意見』を読んだ。
《対象番組の内容》《経緯と問題発覚後の対応》《放送の問題点》《委員会判断》《局の事後対応への付言》、
順を追っての詳しい経緯説明、関係者へのヒアリングに基づく意見・・・という構成で理解し易かった。
また、専門用語や難解な字句を使っていないので読みやすいとも感じた。
                   
 同様の調査を行ったであろうNHKの「BS1スペシャル・調査報告書」(2022.2.10発表)と比べ、踏み込んだ判断を示している。
本意見の《局の事後対応に関する付言》の中で・・・
「本件放送が、デモの参加者は”お金”で”動員”されたものであり、主催者の主張を繰り返すだけの主体性がない人々であるかのような印象を与えたことは無視できない。NHKの事後調査・対応には、そうした視点を感じ取ることはできなかった。」
 ・・・と述べている。
                                   
 さらに《おわりに》の中で・・・
NHKは過去にも二つの番組『クローズアップ現代”出家詐欺”報道』(2015年)と『国際放送”Inside Lens”レンタル家族』(2020年)について、
今回と同じ【重大な放送倫理違反】との指摘を行った事案を引いた上で、
「事実でないものを事実として放送してしまう事案が、なぜ、数年ごとに生じてしまうのか、構造的な要因が潜んでいないか。」
「繰り返し同じような問題が起こるのはどこかに無理があるからではないか。<中略> 事実を曲げず、公正に、そして多角的に論点を明らかにする放送ジャーナリズムの原点に即した対応が求められているのではないか。」
・・・と指摘している。
                
 今回は、公共放送・NHKが視聴者に「フェイク情報を放送した」という重い責任を負うべき事例である。
二度と視聴者の信頼を裏切ることのないよう、本報告『BPO意見』をNHKに働く人たちすべてに読んでほしいと思う。
                                

2022.02.12 BS1スペシャル問題「調査報告書」に残る「もやもや」  諸川麻衣(東京)

          

 20211226日放送のドキュメンタリー『BS1スペシャル 河瀨直美が見つめた東京五輪』中に、五輪反対デモについて事実に反する字幕があると批判の声が起きた問題で、124日に発足した調査チームによる調査報告書が210日に公表された。

https://www.nhk.or.jp/info/otherpress/pdf/2021/20220210_2.pdf

                 

 調査チームは、番組のディレクター(PD)、チーフ・プロデューサー(CP)、編集担当者、専任部長、さらに記録映画製作チーム(明示していないが島田角栄監督も含まれているのだろう)、問題の字幕のシーンに登場する男性にも聞き取りを行ったという。そして、番組の編集過程、字幕の文言が数段階にわたって修正されていった経緯をかなり詳しく明らかにした。結論として、CPから「男性が五輪反対デモに参加したのかどうか」の確認を求められたPDが、本人にきちんと確認せず(その時点では連絡先を把握していなかったという!)、思い込みに基づいて「参加した」と考えたことが問題の根本で、CPが具体的な確認方法まで指示せず、専任部長もあのシーンが持つ意味を軽視したことが虚偽字幕を防げなかった要因だとする。そして、調査チームが2月上旬に男性に聞き取った結果として、男性が反対デモに参加した確証はえられず、字幕は「字幕の内容は誤りだった」としている。

 29日に「NHKとメディアの今を考える会」などがNHKに送った申し入れ書では、「『不確か』という説明は、『確認できないだけで、男性は本当に反五輪デモに金をもらって参加していたかもしれない』という含みを残しており、『事実無根』を正面から認めたものとは言えません」と批判しているが、調査報告書はこの点では「一歩前進」と言える。

                  

 しかし、しかし、である。報告書を通読しても、なお晴れない「もやもや」が残るのである。報告書の内容が事実のすべてだとすると、NHKの内部の人も一般市民も、「担当PDがお粗末」としか受け取れないだろう。CPから男性への確認を求められた際に「連絡先を知らない」と正直に告げなかった点、にもかかわらず確認をしたかのようにふるまった点は、業務のモラルに照らして問題ありだろう。

 しかし、あの字幕と男性へのインタビューが番組に入れ込まれたのは、担当PDだけの問題だったのだろうか? PDは入局12年の初心者ではなく、かなりのベテランだという。男性がまったく示唆していないことを迂闊に信じ込んで独走したとは考えにくい。確認ミスだけでなく、PDおよびCPの側に「金でデモに動員する事例がある」との確信がなければ、男性への取材シーンは編集で採用されなかったのではないか。なぜなら、男性の肉声インタビュー自体、「反対デモに金で参加した経験がある」ことを前提にしなければ成立しえないからだ。あのインタビューを使うなら、あのような趣旨の字幕が必要になる。そして、インタビューを使う決断はCPが行ったものだ。CPは「裏付けが弱いのならこのシーン全体を落とそう」と言える立場だったわけで、CPにこのシーンを残す積極的な意図があったがゆえに、PDも字幕の文言をあれこれ手直しし続けたのではなかろうか。報告書は「当該シーンを放送することがどのような意味合いを持つか、という認識がディレクターとCP、専任部長のいずれも欠落していた」と述べているが、だとすると「金で動員した反対デモ」を専任部長までが信じていたことになる。局内では「仮にそんなこと(金で動員)があれば重大ニュースだ、報道セクションに伝えるべきだった」との声が記者から出たと言うが、報告書はこのあたりの制作側の共通認識には踏み込んでいない。

 制作陣に歪んだデモ観がもしあったとすると、やはり気になるのは、「プロの反対側もいてるし」という島田監督のインタビューである。『世界』3月号の長井暁氏の論考「NHKに何が起きているのか? 『河瀨直美が見つめた東京五輪』の深層」では、この言葉の意味を事前に説明しておく必要が生じたため、男性への取材シーンが使われたと分析している。一方報告書は、「映画スタッフは、『プロの反対側』とは、強い思いをもってデモに参加している人たちのことであり、当該シーンの男性のことは全く念頭になかったと否定しています」と長井氏の見方を否定するような記述をしている。しかし、「強い思い」を「プロの反対側」と表現するとは、「映画スタッフ」はいったいどんな感覚の持ち主なのか?

                   

 そもそもこの男性は、島田監督が見つけてインタビューを設定したと監督本人が公に認めており、報告書でも「男性から映画スタッフに声をかけてきた」としている。調査チームは調査の範囲外と考えたのかもしれないが、問題の背景をはっきりさせるため、島田監督には以下の諸点を明らかにすることが求められる。

・男性から最初にどんな話を聞いて、映画でインタビューしたいと考えたのか。「金で反対デモに動員されたことがある」と認識したのか?

・NHKチームにはどういう風に伝えて同行取材を提案したのか?

・「金で反対デモに動員された」と言っている人間がいると、河瀨監督には知らせたのか?

・年末の初回放送を見なかったのか。見たならなぜその時にNHKに「これ、ちゃうで」と伝えなかったのか?(長井氏もこの点を河瀨・島田チームの言明の矛盾として指摘している)

・島田監督も反対デモの現場に足を運んだ河瀨監督も、五輪反対運動の主催者や参加者に直接話を聞こうとは一度も考えなかったのか? それはなぜか?

                   

                      

 島田監督に反対運動への偏見がなければ、男性へのインタビューは設定も採用されず、今回の問題は起きなかったに違いない。報告書は、「反対運動を貶める構図」がどう作られたのかを不問に付したことで、問題の大部分をPD、CPの字幕作成時のミスに封じ込めているかのように思われる。ゆえに、「何かを、誰かを、かばおうとしてはいないか」「現場は蜥蜴の尻尾にされてはいないか」という松本清張的な疑問が払拭されないのである。                            

 


2022.02.12 11日夜半「BS1スペシャル報道に関する調査報告」の放送について     山村惠一(語る会・大阪)  

 

  11日の夜半、AM1:53から3分間、NHKBS1xで前日発表された「BS-1スペシャル」報道に関する調査報告についてが放送された。

3分枠なので、事態を詳細に説明はできないものとの予断を持って視たが、前日発表の「調査報告」の「はじめに」の冒頭ページ内容そのままで、一語一句違わない内容をテロップとアナウンスだけの放送であった。「調査報告書」をよむと、今回の事態を招いたのは制作現場の杜撰さがもたらしたもので、チェック機能も働かなかったとして処分も行っている。今回の調査結果は、当該出演者に実際に聞き取りをするなどして具体的でスピーディには発表されたことは評価するが、謝罪放送(1/9)と調査報告とも放送が深夜でそれぞれ2分、3分の放送で、「謝罪」・「調査報告」を「やりましたよ」のアリバイ作りかと感じる。事実でない誤った内容が放送され権利の侵害を受けた個人団体から請求があったときは「訂正放送」をすることが、放送法9条に規定されているが、この放送で貶められた五輪反対の市民団体からは「訂正放送」の請求は出ていないのだろうか? 

 


 NHKは2月10日「字幕の内容は誤りだった」と認める内部調査の報告書を公表し、番組制作をしたディレクターら6人を懲戒処分にした。角英夫大阪放送局長は役員報酬の20%を2か月間自主返納する。NHKはチェック体制の強化や再発防止に取り組み信頼回復に努めるとしている。

  報告はNHKの地上波、BS-1でもニュースで流れた。  

  また、BPOの放送倫理委員会は審議入りを決めた。

 

 公表された調査報告書は全14ページ。以下の構成となっている。

 

  Ⅰ. 調査体制

  Ⅱ. 番組の概要と制作体制

  Ⅲ. 当該シーン・取材の経緯

  Ⅳ. 調査のポイント・判明したこと

    (1)男性への取材状況

    (2)問題の字幕が付けられた経緯

      (3)なぜ誤った内容の字幕が放送されたのか

     【総括】

  Ⅴ. 再発防止にむけて

 

 内容詳細は下の「報告書」PDFをダウンロードしてください。

 

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2022.02.10 「BS1スペシャル・調査報告書」pdf.pdf
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 「放送を語る会」は、この番組の問題点を検証するリモート討論会「モニターカフェ」(Zoom)を2月5日(土)に開催しました。青森、岡山県の参加者もあり、23名の会員で番組構成や字幕をめぐって討論となりました。

 


「放送を語る会」は

「NHK とメディアの今を考える会」

「NHK とメディアを語ろう・福島」 と共同で

 

 BS1 スペシャル虚偽字幕問題について

 NHKに申し入れ文書を郵送しました。 

 

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NHKへの申し入れ文書
NHK申し入れ文書「踏み込んだ調査と納得できる説明で視聴者の信頼回復を 」.pd
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 NHKの番組宣伝によると

(中略)開催を巡り賛否の声がぶつかりあった五輪が私たちの社会に残したものとはなにか。その問いへの答えを探そうと、河瀨さんは膨大な映像素材と向き合っている。長期にわたる密着取材に加え、記録映画の素材も用いながら河瀨さんの知的格闘を描く。」

とされていた。 はたして放送された内容はどうだったのか? 

 

主だった発言のメモ(順不同)

〇監督やチームメンバーにNHKスタッフも組み込まれたような五輪賛歌のメイキングビデ

 オになっている。「コロナ下での開催強硬」の問題意識がうすかったのでは。

〇先の市川昆監督にはナショナリズムを排する姿勢があったが、今回はありきたりの五輪

 記録のメイキングであると感じた。

〇河瀨監督がパンデミックの中で開催されるオリンピックの光と影を描くとしているが、

 影に寄り添う姿勢は感じられなかった。 

 ▶コロナ感染防止のために沿道での移動撮影が制された河瀨監督が「日本がせっかく世界にアピールできる撮影なのに」つづけて「そこをとらせて貰えないと本当にもったいない」と嘆くシーンがあるが、監督の視線はどこを向いているの?と感じる。

〇放送を初見したときは「金をもらって五輪反対」もあるのだなと感じたが、改めて見か

 えすと「字幕」は単なるうっかりミスではなく、このシーンを入れた意図があるのでは

 と感じた。

〇聖火リレーのニュースで反対デモの声を消したり、相対的に反対の数を下げるよう

 質問項目を設定した世論調査の実施など、開催中も五輪一辺倒の放送で字幕問題が起こ

 ったのもその延長線上にある。

〇東京MXテレビの「ニュース女子」と同じ構造ではないかと思い起こさせた。

〇知らず知らずにこのようなことが視聴者に印象付けされていくことが危険。

〇従来なら、このような重要な番組は担当者だけでなく、局幹部も立ち合って問題がない

 かどうかを確認する「複眼的試写」を怠らなかったが、今は一体どうなっているのか?

〇記者の立場なら、「金で反対デモを動員」はニュースネタの事案である。

 それが試写段階でスルーされてしまうことに問題がある。感性が劣化しているのでは。

〇競技撮影で手が回わらくなった河瀬監督から、「影の取材」を依頼された島田監督(映

 像学校の教え子)がインタビューで

「プロの反対側もいてるし ・・・ 一概に反対派ってひとくくりも  なかなかね」と

 吐露しているが、その島田監督の価値観で五輪記録映画が作られたのでは?

NHKは会見で、河瀨さんら映画関係者、「視聴者」の方々にも申し訳ないとしている

 が、今回のことでは五輪反対の市民運動を貶めている。

 謝罪は当該の方にするべきである。

〇「謝罪した視聴者」のなかに、市民運動の方も含まれているとのNHK説明は釈明に過ぎ

 ず、いかがなものかと思う。

〇公共放送として視聴者の信頼を失う事案であり、受信料制度にも影響があるのではと

 懸念を持っている。

BPO(放送倫理・番組向上機構)でも議論されるが、「調査チーム」で問題の背景の把

 握をするとしている、NHK隠すことなく本当のところを示してほしい。

                                                           

                   記録 山村惠一(放送を語る会・大阪)

 

このミーティングで発言はなかったが、

 ▶河瀨監督は、アスリートに寄り添うとしてショットにこだわる、音にこだわるとたび

  たびスタッフに激を飛ばしている。  

 ▶一方、コロナ過で苦しんでいる「影」として、ライブができないパンクミューシャン

  医療崩壊状態にある医師のインタビューがあるが、五輪反対を行っている市民デモに

  は離れた場所から見るだけでコメントも求めることもなく、くだんの字幕である。

 ▶コロナで広島では聖火がトーチリレーとなってしまい、河瀨監督が「あまりにも違う

  光景  もやもやしてる 広島でなんかつかめるとおもったが・・・」と語り、

 ▶組織委員会で無観客開催が決定されたあとの、公式五輪記録映画チーム会議で、スタ

  ッフから「五輪は続けていくべき価値があるかどうか?」「平和のための(五輪)ミ

  ャンマーなどのいま 語る意味 なぜ誰も語らないんだろう?」とのスタッフからの疑問に、 

  河瀬監督は「将来から見たらこの時を感じるきっかけになればと思う」とだけ答えている。

 ▶番組ラストで河瀨監督は「人が集えない のに集うイベントをするというものすごい

  パラドックスですよね」つづけて「それが闇と描くの未来への提言というのか そう

  いうふうなものとして希望として描くのか」さらに、「時代の転換期 教科書に載る 

  私たちが見たことは歴史上の大きな1ページ 責任をもって描く・・・」とコメント

  している。

 河瀨監督はいったい何に向き合い、何を見たのか?                                                       

                           (山村惠一) 

 



2022.01.19 今井 潤
              
本日(1/19付)の東京新聞・投書欄に「NHKの五輪番組」に関するものがありました。
読んでおられない方にお知らせします。
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【僧侶 福井学(50)埼玉県在住】
NHKが東京五輪の公式記録を作る河瀨直美監督に密着した番組の字幕に不確かな内容があったと陳謝した。
放送法を軽視したNHKは経緯を明らかにする義務がある。
私はかつてNHKの報道カメラマンだった。
万が一にも放送でミスがないよう,細心の注意を払うことを上司から求められた。
社内規定も厳しく、幾重もの編集過程のチェックをくぐりぬけてまで制作者の独りよがりな思考が通用するほど甘くなかった。
今は、事実ですらないことが放送されてしまうのか、制作者の思い込みと、それを許した経緯がわからない限り、
今後すべての番組を疑って見てしまうだろう。
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・・・投書した方の悔しい思いが伝わる内容でした。  
                              

2022.01.10 山村惠一

◎NHK不適切字幕の謝罪について

 

 1月9日22:00~BS-1スペシャル 放送された知られざるストーリー「霊峰に落ちたB29」を視聴していたところ、番組終了後に「河瀨直美が見つめた東京五輪」の不適切字幕について、テロップとアナウンスで「河瀬監督や関係者と視聴者に謝罪し、今後チェック機能の強化と制作にあたる担当者の教育をはかるとの謝罪放送がされた。

 今朝の朝日新聞朝刊によると、事実の裏付けを確認せずに担当者が字幕を制作、放送前の数回の試写を経ても修正にいたらなかったとされている。

従来、このような事案には、いわゆる裏を取る、ファクトに基づいた正確な情報に基づいた放送がされていたはずだが、今回の事態は、NHKの現場も組織もその感覚が薄れてきていて、視聴者の信頼を失いかねない事態ときぐしている。

 2分間の謝罪放送だけで済ますのでなく、以前に「ムスタン」やらせ問題に対し、NHKの在り方について組織を挙げての総討議を思い返してほしい。

 

 「霊峰に落ちたB29」は、霊峰大峰山に墜落したB29の乗組員11人の消息をアメリカ人青年が真相を追う、戦争のむごさと人のやさしさを考えさてくれるドキュメンタリーです。 再放送 NHK BS-1 1月16日(日)午後3:00~3:50予定

 


2022.01.10 今井 潤
◎NHK、不適切字幕を謝罪(1月9日)
                     
 去年12月26日に放送されたBS1「河瀬直美が見つめた東京五輪」の中で、『五輪反対デモ参加』『お金もらって』と字幕で放送した男性について、
NHK大阪拠点放送局は9日に「字幕に不確かな内容があった」と陳謝した。
NHKは同日夜、「視聴者のみなさまにおわびします」とBS1で2分間放送した。
 今回の番組の中で、河瀬監督が「五輪は皆が賛同した」と述べたことが批判を浴びたが、今回の謝罪には含まれず、別に論じられることになると思われ
ますので、注目していきます。  
                                 

2022.01.04 今井 潤

◎12月26日(日)放送 BS1スペシャル「河瀬直美が見つめた東京五輪」に大批判


 昨年行われた東京五輪の映画制作を託された映画監督・河瀨直美がカメラをもって動き回るのに密着したドキュメンタリー。
しかし、放送後、ユーチューブなどで強い批判が起きている。
 整理して紹介することにする。
番組の中で河瀬が『みんなで』『私たち』が五輪を作ったのだと発言したことが問題となっている。

五輪を招致したのは安倍、電通だったが、反対した人もいたはずだ。
番組の中で五輪反対デモに参加した中年男性が映り、お金をもらって参加したと(文字スーパーで紹介された)。

これが問題で、ヤラセの可能性があると批判されている。
2017年МXテレビの「ニュース女子」が沖縄の基地反対デモでフェイクニュースを流し、放送が中止されたが、それと同様の可能性があると

批判されたのである。
この批判は1月3日ユーチューブ「毛ば部とる子」と、同日の「一月万冊」で元博報堂の作家本間龍氏が「NHKがこういう番組を放送した」と

怒りの発言をした。
これはBPO(放送倫理・番組向上機構)で審議にかけるべき問題だといっている。
河瀬直美監督の東京五輪映画は6月公開予定。
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