2024.4.21 平林光明(放送を語る会・大阪)
NHK「新プロジェクトX」三陸鉄道全線開通へ (4月20日 午後7時30分~午後8時15分)
新年度から始まった「新プロジェクトX」第3作は、第1作の「スカイツリー」に続いて、東日本大震災関連のドラマを取り上げた。
三陸鉄道は鉄道網が希薄な三陸海岸沿いを結ぶ路線として、岩手県を大株主とし沿線市町村や企業が参加する「オール三陸」の三セク鉄道である。震災で全線にわたって再起不能と思われる大被害を受けたが、住民の貴重な足として親しまれていて愛着も強かった。
正式な手続きを待っていては時間がかかるため、社長は人生最後の大仕事として独断で3年後の復旧を決めた。鉄橋が線路ごと崩れ落ちた最大の難工事を引き受けた建設会社の支店長も、住民の色々な支援に勇気づけられ、遅れがちな作業を工期通りやり遂げた。
予定通り2014年4月に1番電車が走った沿線は、大漁旗や手製の旗を持った住民の列が絶えず、停まる駅ごとに乗務員と住民の歓喜の交流が見られた。この様子は朝ドラ「あまちゃん」の中でも再現され共感を集めた。
この執念ともいえる全線開通と住民の愛着は感動的だったが、折角のテーマを描くにしては時間が短すぎた気がしてならない。 第1作はスペシャルとして1時間以上があてられたが、それ位の時間があてられていたら、もう1~2話ドラマティックな場面も紹介でき、もっと感動的なドキュメンタリーになったのではと惜しまれる。それに加え45分の制約の中で三陸鉄道の複雑な構成が説明できないため、「全線開通」と言いながら鉄路はつながっていない状況が見えず、東北以外の人には誤解を与えたのではないかと心配される。
三陸鉄道は久慈市~宮古市の北リアス線と、釜石市~大船渡市《駅名は盛(さかり)》の南リアス線からなり、宮古~釜石間55キロはJR山田線が結んでいる。JRは震災を機に山田線、大船渡線、気仙沼線など採算の悪い沿岸部の廃線も視野に、復旧工事は進んでいなかった。このため久慈~盛間の全線運転は出来ず、三陸鉄道部分だけの“全線開通”となったのである。
私もこの年、金婚記念として“全線開通”した三陸鉄道に乗車して、4時間半の乗車に1泊2日を要した経験がある。朝9時に仙台を発って、一関から一部開通した大船渡線で気仙沼まで行き、12時発の代替バスで盛へ。そして釜石16時発のバスを「道の駅・山田」で乗り継ぎ宮古にたどり着いたのが19時過ぎ。1泊せざるをえなかった。翌日9時半に宮古を発ち、12時頃久慈に到着、朝ドラで見た「まめぶ汁」を食した。この間まともに食事もとれなかったのを覚えている。本当に“冒険旅行”並みの全線開通試乗だった。JRがつなぎ部分の山田線を復旧して三陸鉄道に移管し、実際にレールがつながったのはさらに5年後の2019年。名実ともにこれが「全線開通」となる。
2024.04.02 竹中美根子(放送を語る会・大阪)
NHK-
BS 黄昏高原診療所2024(3/26放送)
NHK-BS で放送された「黄昏高原診療所2024」を録画していたので
今日見ましたが凄くいい番組でした。
九州大学の教授が退職後、飯田高原の無医村で医療活動をしている
ドキュメントですが、舞台が大分県だったので録画していました。
日田弁も懐かしく、こんな素晴らしい人もいるんだと嬉しくなりました。
再放送があれば良いですネ。
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◆竹中美根子さんから番組案内を受けた方々の視聴感想が続々!!
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2024.04.05 山本 久(埼玉県)
何年も診療所とその医師の姿を追い、歳をとることや生き続けること
とはなにかを追うドキュメントで感動的でした。
最近のNHKドキュメントに制作陣の意欲を感じています。
特に最近の放送では、原子力政策に関わっていた九州大学教授・吉岡氏の文書を発見し取り上げ、政府の原子力政策の無責任さを暴いた「膨張と忘却」、下山・三鷹・松川という戦後3大謀略の背景にアメリカがいた事を、新資料にもとづき暴いた「未解決事件・下山事件」、胸のすく思いで視聴しました。
NHK労働者とOBと視聴者国民、三者の声を上げることの大切さを感じています。
以前、NHK「放送を語る会」の取り組みの本(※注)を読ませていただきました。
その中で、NHKに公共放送としての役割りを果たさせるために、NHK労働者とOBと視聴者国民の三者で取り組んでいることを教えていただきました。
いま国交省とJRは、分割民営化政策がことごとく破綻し、新たな犠牲を利用者国民に押し付けようとしています。
ローカル線廃止や貨物物流問題、駅の無人化や「みどりの窓口が無くて指定券が買えない」など、当時の国民との約束が破られています。
NHKの皆さんの取組みに学んで、国労機関とOBと利用者国民との三者共催で、公共交通としてのJRのあり方を考えるシンポジウムを計画しています。
※注:【放送の自主自立を求めて 放送を語る会の30年】
(ホームページ管理者・記)
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2024.04.05 E.F(奈良県)
退職後、無医村で働きたいと思う先生もすごいけど、それを受け入れる
奥様がすごい
いくつになってもみんなを幸せにしたいという夢がある野瀬先生、支える村民、繋がりがすばらしいです。
見ていてこちらが幸せ気分になりました。
2024.04.07
T. Yさん(大阪)
私達と同年代のドキュメント、心地よく魅入ってしまいましたよ ♪
T. Tさん(大阪)
【飯田高原】懐かしい響きです☺
我々と同年代頑張ってますね。元気をいただきました。
T. Kさん(大阪)
飯田高原の景色に癒されますね。
都会に無い人々の繋がりが素敵でした。
M. Tさん(福岡)
「黄昏高原診療所2024」見ました。
とっても良かったです。ありがとうございます。
Y. Gさん(和歌山)
立派な医者に敬服してます。郷土の誇りですね。
Mさん(埼玉)
「黄昏高原診療所2024」観ました。
能勢先生は優しく元気で何でもやりこなす人ですね。
まるでチェジューの生き写しです。
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2024.04.08
M.
Uさん(奈良)
みねちゃんオススメのTV見ました。
黄昏高原診療所を取り巻く環境、高原の風景が素晴らしかったです。
あの高原に立って思い切り深呼吸してみたかったです。
教授も素晴らしい方で関わる全ての人が安心して生活出来る様子が
羨ましかったです。
大分県いいですね!
2024.03.31 K.O(和歌山)
NHKスペシャル「シリーズ未解決事件 File.10 下山事件」 NHK-GTV 3月30日(土)放送
「ドラマ 下山事件」 午後7:30〜8:48
「ドキュメンタリー 占領期の深き闇」 午後10:00~10:54
見応えある番組だった。セリフの一言一言は今の世情に重ね合う。
過日放送された「松本清張・帝銀事件」からも「戦前軍部と占領軍GHQと政界右翼のトライアングル」が関係してるなーと。
今も形を変えて民主的勢力の弱体化を図る策略は「新しい戦前」へと・・・。
見逃しは再放送かNHK+で。
2024.03.08 Y.T(放送を語る会・大阪)
テレメンタリー24 『潰された自立~与那国島と自衛隊配備~』(制作:琉球朝日放送)
私が見たこの番組は、3月7日付け「しんぶん赤旗」・【石井彰のテレビ考現学】の中でも紹介されていました。
同記事によると2024年2月24日(土)の放送、大阪では 2月25日(日)4:50~ ABCテレビで放送されました。
2004年に住民投票で与那国島が周辺島との市町村合併を選ばず自立を模索していた過去から
自衛隊が配備される現在までのドキュメンタリーでした。
映像から戦争という事が想い起されました。
番組最後にながれるナレーション・・・
「住民の願いが 国策に押し潰される不条理はこの地だけで起きることではありません」
身近な問題として考えさせられます。
過去の『テレメンタリー24』の放送番組は、下記の《YouTube》で見ることができます。
2023.03.06 今井 潤(放送を語る会)
NHKの2作品をお勧めします。
NHKスぺシャル「南海トラフ巨大地震」とBS1スペシャル「密着 自衛隊 ”ミサイル防衛” 」
(1)3月5日放送のNHKスぺシャル「南海トラフ 巨大地震」は、予測が出ている南海トラフの地震が起きた時の想定ドラマで、高知、大阪、
東京の家族が遭遇する体験を視聴者の想像以上のリアリティをもって表現してくれた作品だった。
それぞれの俳優がよく演じ、災害にあった時の家族の連帯に共感した。
(2)3月5日放送のBS1スペシャル「密着 自衛隊”ミサイル防衛”のリアル」は岸田政権が閣議決定した安保3文書と敵基地攻撃の実際を自衛
隊の部隊の米国での訓練を通して見るという最もリアルな状況を取材した番組だった。
ジャーナリストの鎌田靖のナビゲーションで、藤田浩和(元陸自幕僚長)と柳沢協二(元内閣官房副長官補)、そして佐々木孝博(広島
大客員教授)の考えを聞きつつ、まとめた報告だった。
米・ニューメキシコの基地で行われた自衛隊の高射特科隊の訓練は最終日に中SAMという一発一億円というミサイルを発射し、成功した
のだが、実際の訓練を見ると、日本政府の言う敵基地攻撃の無謀性、危険性を強く感じ、政策の誤りを証明するものでもあった。
それは藤田、柳沢、佐々木という識者の発言の中にもあり、最後に柳沢は「核は使わないという国際規範を日本が先頭で作っていくか、
戦争で迷惑をかけ、自分自身も大きな被害を被った日本が戦争をしてはいけないという外交をしっかりやっていくことは国際社会で無力で
はないと思うんです」と結んだ。
国会の予算委員会で質疑が行われている日本の防衛問題だが、米国での自衛隊のミサイル訓練を見ることで、島国日本のミサイル防衛が
いかに脆弱で危険なものかが明らかにされたと思う。
2023.01.24 平林光明(放送を語る会・大阪)
NHKスペシャル「未解決事件⑨ 松本清張と帝銀事件」
第1部 12月29日 21時~22時30分 ドラマ「事件と清張の闘い」
第2部 12月30日 21時~22時 ドキュメンタリー「74年目の“真相”」
未解決事件にスポットを当てる「Nスぺ」は第9弾として、戦後最大の謎の事件の1つ『帝銀事件』を当時人気急上昇中の作家・松本清張の追究に 的をあて、年末の2夜にわたって展開する意欲作を放送した。(文中敬称略)
第1部は、戦後間もない1948年に起こった事件を考慮して、その概要や捜査状況、犯人像などをドラマで再現した。事件が起こったのは東京の 帝国銀行支店。
閉店直後に都の衛生局職員を名乗る男が、付近で流行している集団赤痢の予防対策と称して訪れ、16人に毒薬を飲ませて12人を殺害し現金16万円
などを奪った。手掛かりは生き残った4人が供述した人相書きと名刺だけ。
警察は2万人を動員して捜査、薬物取り扱いの専門性や人相書きをもとに、徐々に軍に的を絞っていたが、突然7か月後に著名な画家平沢貞道を
逮捕した。
平沢は1か月後に自供したが裁判では否認。多くの文化人やマスコミ関係者の追及で、青酸化合物ながら遅効性という特殊な毒物や専門的な操作
方法、生存者の証言などから、旧陸軍のいわゆる『731部隊』の関係者に焦点が絞られて行った。しかし当時日本を統治していたGHQに接触
して行った警察関係者やマスコミの記者らも証言を拒否、最後までGHQの壁を崩せないまま、事件は迷宮入りとなった。
清張は文芸春秋新社の田川清一編集長と共に事件を克明に調べ上げ、事件関係者は731部隊関係者。本丸に迫り始めた捜査にストップをかけた
のはGHQと確信を持ち、ノンフィクションとして書こうとしたが、上層部からの強い圧力で『小説・帝銀事件』として発表する。小説は好評を
博したが、清張には「日本は本当に独立したのか」という強い悔恨が残った。これが後に清張が『日本の黒い霧』というノンフィクション大作を
世に問うた動機になった。
ドラマは再現ドラマとは思えぬ迫真性で、テンポの良いサスペンスドラマのようにぐいぐいと画面に引き込まれた。見終わって疲れるくらいの
力作だった。
第2部は、70年以上封印されていた門外不出の平沢の取り調べ映像や、当時不可能だった技術などをもとに、第1部でたどり着けなかった謎を
新証言を交え追求した。いろんな角度から取材された内容を①真犯人像②GHQの壁の2点に絞ってまとめてみた。
①「真犯人像」 犯人は平沢なのか
立命館大・稲葉光行教授が開発したテキストマニングという、文章データから単語の出現頻度や相関関係を推測できる研究(※放送を語る会・
大阪の高谷さんが考案したのとよく似た方法と考えればわかりやすいか)からは、「無知の暴露」と言われる現象が浮かび上がる。
取り調べ文書の自白前では「青酸カリ」という言葉に全く無反応だったのに、自白後は一転して強い反応を示す。
これは取調官の描いた正解に合わそうとする誘導的やり取りがあったことをうかがわせる。
犯行を再現する平沢の貴重な映像からは、毒物を入れる動作や飲む時の舌の出し方など多くの点で生存者の記憶とは違う動作が繰り返される。
一方、当初似顔絵に似た人物の聞き取りに重点を置いていた警察の捜査も、裏側で旧陸軍の暗部に次々とぶつかる中で軍関係者に中心を絞っていく。
重要な物証とされた名刺の「厚生技官・医学博士 松井蔚」は実在人物で、戦時中「南方防疫給水部」で青酸研究の中心だったことを突き止める。
しかし松井にはアリバイがあり捜査は関係部署に拡大、2か月後731部隊に到達する。
憲兵の指揮官「軍曹A」は似顔絵に最も似ており、名前は捜査会議に20回も出ていた。731部隊に関係ある「登戸研究所」の古参幹部伴繁雄からは、
遅効性の青酸化合物「青酸ニトリール」を2回持ち出したという証言も得た。だがAは最後まで所在が分からず、最近入手した旧憲兵の名簿には
「49年死亡」と処理されていた。かくして真犯人の影は途絶えてしまった。
②「GHQの壁」
警察の捜査は核心にまで迫りながら何故転換したのか。アメリカでも追及している人たちがいる。あるジャーナリストは米公文書館でGHQと 警視庁との会議メモを見つける。警察が軍の秘密部隊を捜査していることに触れる記事は、検閲官が一切差し止めると記されている。 事実日本の新聞記者の回想でも権威筋からの命令で手を引くよう刑事部長から通告されている。元GHQ の諜報員もGHQは731部隊のことを 知られたくなかったと証言している。マッカーサーからの文書では、日本を“反共の防壁”とする上で731部隊の人体実験のデータを独占する代わり、 石井部隊長ら上層部の戦犯容疑を免責することを認めている。
こうした圧力を受け、青酸ニトリールと証言していた伴もGHQに呼び出され証言を青酸カリと覆させられる。
こうした政治的・軍事的目的から、事件は核心まで迫りながら平沢の金欲しさの犯行と方向転換され終結する。
初めのうちは冤罪と平沢に同情的だった世論も、マスコミの報道から極悪人と一挙に変わっていく。
清張はこの流れを『警察の主観がマスコミの主観となり大衆の主観となる。
世論はこうして形成される』と回想で述べているが、この後もこうした“世論”を何度も目にしてきたと考えさせられた。
NHKスペシャル「未解決事件」は2011年の第1作「グリコ・森永事件」を皮切りに、「オウム真理教事件」など多くの未解決事件に果敢に
切り込んできたが、9作目にして初めてGHQがらみの謎の事件と言われる「帝銀事件」を取り上げた。
48年から50年にかけては、「民主化」から「反共の砦」へと「アメリカの占領政策が転換される中で、多くの謀略事件が起こっている。
「帝銀事件」に続いて49年にはもう1つの最大の謎の事件と言われる「国鉄3大事件(下山、三鷹、松川)」が引き起こされた。
この事件は国鉄10万、公務員26万、民間100万といわれる大量首切りに向けて、衆議院35人に躍進した日本共産党と、公労協最強の国労、
民間最強の東芝労組を壊滅させるため仕組まれた謀略というのが現在では通説となっている。
政府、マスコミあげての反共・反労組キャンぺ-ンが“世論”の方向を決定づけ日本に暗黒時代をもたらせた。
因果関係が非常に解りやすい「国鉄3大事件」と違って「帝銀事件」は政治的背景が解り難く、何のためにこの事件が起こされたのかが
私にとっても謎だった。このNスぺはまだ核心にまでたどり着けなかったが、日本の支配層には明らかにしたくない旧軍の暗部、GHQには
対ソ戦に向けて731部隊の研究の独占という、双方の思惑が一致した結論であり、帝銀は生産ニトリールの毒性を証明する実験材料にされたと
確信できる力作だった。是非とも「松川事件」も今後とりあげてほしいと期待する。
2023.01.09 今井 潤(放送を語る会)
正月に放送されたドキュメンタリーを見ましたので、私なりの感想を書きます。
(1)1月8日(日)放送 BS・TBS「描きつづけて野見山暁治101歳の肖像」
画家野見山さんが過ごしたフランス、戦後、長野に戦没画学生の作品を集めた無言館を作ったことなど、
芸術家として生きた人生の記録だったが、NHKが作ってきた同様の番組と差異が見当たらず、少し残念。
(2)1月7日(土)放送 NHKスぺシャル「認知症の母と脳科学者の私」NHK大阪局制作
65歳で認知症と診断された最愛の母と、大学で脳科学を研究する娘の話で、大きな期待をもって見たが、
密着取材の割に感動するシーンがなく、残念だった。
(3)1月7日(土)放送 ETV特集「沖縄の“眼”になった男 写真家・平良幸七とその時代」
55歳で死亡した写真家・平良さん。琉球政府の広報カメラマンとなった平良さんが72年5月の復帰の日、
屋良知事と日の丸の写真を、揺れたピンボケの写真で抵抗をあらわしたことが肝だった。
平良さんの友人の長く、深いインタビューがほしかったと思い、食い足りなさが残った番組でした。
2022.12.26 今井 潤(放送を語る会)
(1)年末の放送ですが、戦後史の謎を追究する番組です。
NHKスペシャル「未解決事件」松本清張と帝銀事件
12月29日(木)21時~22時半 第1部・ドラマ「松本清張と帝銀事件」
30日(金)21時~22時 第2部・ドキュメンタリー「74年目の真実」
松本清張(大沢たかお)平沢貞通(榎木孝明)
多くの謎を含んだ、未解決の事件にNHKスペシャルがどこまで迫れるか注目したいと思います。
この番組にも関係した山田朗(明大教授)は、「帝銀事件と日本の秘密戦」(新日本出版2020年)のあとがきに
「帝銀事件とその捜査、裁判というのはまさに政治的力学に翻弄されたものであり、平沢貞通はその最大の犠牲者だったといえる」と述べています。
(2)12月17日と24日に放送したNHKドラマ「ひきこもり先生」
11年間ひきこもりを体験した先生が不登校支援「STEPルーム」に非常勤講師として働くことになる話です。
ホームレス襲撃事件が起こり、いじめやヤングケアラーの子など様々なことがある中学校で、ひきこもり先生が生徒のために必死に取り組む姿を
とおして、視聴者に大事なことを訴える番組になっています。
よくある話だと思わないで見てほしいと思います。
再放送を期待しています。
2022.11.08 今井 潤(放送を語る会)
昨日(11/7)のBSプレミアムは素晴らしい2本の番組を放送しました。
(1)「ワイルドライフ」 20:00~21:00
鳥を襲う最強ハンター カマキリ究極の狩りの技
様々なカマキリの生態が紹介されるが、カマキリのメスが餌がなくなり、子孫を残すために鳥を狙う、
このスクープ映像に驚く、この映像を取るための工夫や努力に感嘆する。
(2)「中村仲蔵 忠臣蔵狂詩曲 出世階段(前編) 21:00~22:30
2021年12月放送の再放送。
古典落語で有名な『中村仲蔵」をドラマ化した作品で、仲蔵を中村勘九郎が演じ、中村七之助、若村麻由美などが
共演している。名門出身でない仲蔵が苦労して這い上がる、歌舞伎界の階級性、しきたりが描かれている。
なによりも勘九郎の力演が注目で、後編は忠臣蔵五段目で仲蔵が観客の度肝をぬく演出をして後世に名を遺した場面を描く。
テレビ中継でない、ドラマ化した中村仲蔵を見れるのは幸せである。
ぜひ、再々放送を楽しみに。
2022.03.16 竹中 美根子(放送を語る会・大阪)
◎ウクライナ出身のウクライナの民族楽器バンドゥーラ奏者
日本には2人しかいないバンドゥーラ奏者の紹介が、3月9日BSテレ東「ワタシが日本に住む理由」と、同じくBSテレ東で3月12日「おんがく交差点」でありました。
「ワタシが日本に住む理由」はグジー・カテリーナさん。そして「おんがく交差点」はお姉さんのナターシャ・グジーさん。
お2人は4人姉妹の3番目4番目です。ウクライナ北部プリピャチ出身。プリピャチは日本から8200キロ離れた所にあります。
1986年4月26日原発事故が起こりました。チェルノブィリ原子力発電所から僅か2.5キロしか離れていない場所です。
一家は住んでいた家から強制退去させられ、仮設住宅が建てられたキエフ市に避難しました。
父親は原発作業員の作業着の放射能除染を12年していましたが、事故後に全身被爆から《すい臓がん》になり、2010年に亡くなりました。
母親は今もキエフに住んでいます。幼少時、音楽の先生を紹介されてバンドゥーラに出会いました。
演奏法さらに歌唱法の手ほどきを受けてピアノや音楽理論も学びました。
チェルノブィリ原発事故のニュースの影響からか日本には支援してくれる人も多く「被爆の子供達の為に日本でチャリティーコンサートをしませんか」と誘ってくれたのが日本に来るきっかけになりました。お二人ともその後日本に住み家庭を築いています。
今、ロシアの侵攻が激しさを増し、キエフに1人住む母親が心配で日本に来る事を勧めていますが、母親は「もう二度と逃げたくない。ここで生まれたからここで死にたい。全ての国に平和が訪れる事を祈ってます」と話しています。
3月8日現在、ウクライナ避難民は173万人越え。母親はポーランドに避難しました。
音楽を通して少しでも誰かの心の支えになるのであればとお二人は福島の被災地の復興を応援し活動しています。
日本の琵琶に似たバンドゥーラの音色を聴きながら1日も早く平和が来る事を祈ってます。
2022.03.14 K.O(和歌山)
◎タイガースファンは是非とも下記で見逃し放送を!
甲子園には良い意味で『魔物がいる』と言われますが横田慎太郎には神様がいました。
「奇跡のバックホーム」ドキュメンタリー番組は高校球児の経験からも感動する。
野球に限らずスポーツを断念した人たちへ熱いエールが伝わると感じた。
「奇跡のバックホーム 間宮祥太朗主演! 野球史上に残る”奇跡”のワンプレー感動のドラマの見逃し放送」を是非とも。
2022年3月27日(日) 23:59まで(ABC放送済み 2022年3月13日)
ABC放送を見た語る会・大阪の友人から「感動しましたね。横田慎太郎さん(選手)をよく知りませんでしたが、引退試合の挨拶は超感動的でした。ドラマのシーンも良かったが更に、8回守備にベンチを出るドキュメンタリー部分からは涙なしには見られないドキュメンタリードラマでした。横田選手24歳から感動と勇気、希望を・・もらえました!」と。
ちなみにこの方はGファンです。
奇跡のバックホーム|民放公式テレビポータル「TVer(ティーバー)」- 無料で動画見放題できます。
【番組概要抜粋】
プロ野球選手として将来を嘱望されながら病魔に襲われ、24歳という若さで引退をした元・プロ野球選手・横田慎太郎さんが著した自伝的エッセイ『奇跡のバックホーム』をドラマ化!
ドラフト2位指名で阪神タイガースに入団した横田さん。抜群の身体能力で将来を期待されながらも、2017年にボールが二重に見えるという症状から脳腫瘍が発覚。18時間に及ぶ手術の後には苦しく辛い闘病生活、不屈の精神でリハビリの末に現役復帰。だが、体力は回復したものの野球選手にとって生命線でもある視力が回復することはなかった。白球が二重に見え、バッティングも捕球もままならない中、2019年に引退を決意する。
2019年9月26日、鳴尾浜球場で行われた2軍戦が横田さんの引退試合となった。1096日ぶりの試合出場、そして、プロ野球人生最後のラストプレーで見せたバックホームは美しい弧を描き…。 今なおプロ野球界で語り継がれる“奇跡のバックホーム”はプロ野球ファンのみならず多くの人々に感動を与え続けている。
《キャスト》
間宮祥太朗、石田ひかり、丸山智己、三浦景虎、村瀬紗英
2022.03.07 今井 潤(放送を語る会)
◎再放送番組を見逃すな!
3月4日(金)と3月6日(日)に2本の特筆すべき番組が再放送されました。
(1)BS-1「銀嶺の空白地帯に挑む~カラコルム・シスパーレ~」(2018年4月放送)
三浦雄一郎が天才と呼んだクライマーとパートナーがカラコルムのシスパーレという氷壁の北東壁の初登頂に挑んだ記録です。
平出和也(39)と中島健郎(33)がベースキャンプで1か月高度順化の準備をし、2017年8月22日に
初登頂に成功する感動的な登攀記録です。
二人が身に着けた超小型カメラに雪崩、強風のすさまじい映像が記録され、私は感動しました。
前編、後編1時間40分の長編ですが、撮影技術の進歩とクライマーの執念が成し遂げた番組でした。
(2)Eテレ クラシック音楽館「生誕100年 ピアソラの世界」(2021年7月18日放送)
アルゼンチンのバンドネオン奏者・作曲家のアストル・ピアソラのアルゼンチンタンゴに賭けた執念と想像力を描く番組で、
スタジオの日本のバンドネオン奏者と女性タレントの解説も快いものでした。
スタジオで演奏するピアソラの曲も撮影が斬新で、最後の東フィルによる「シンフォニア・ブエノスアイレス1951」も
二人のバンドネオン奏者に惜しみない拍手が寄せられていました。
フランシスコ・カナロやフアン・ダリエンソくらいしか知識がなかったので、目が開かれた番組でした。
2022.02.13 増田康雄(放送を語る会会員)
◎NHK-BS1「ヒトラーに傾倒した男~A級戦犯・大島浩の告白」(2021.8.14放送)を見て
昨年夏、NHKの「戦争と平和の番組」をみていて印象に残った一つがこのBS1スペシャル番組だった。
戦前の日本でナチスドイツ時代に陸軍武官、特命全権ドイツ大使の任務に就き、日独伊三国同盟、防共協定、ナチスに傾倒した外交官・大島浩の録音
テープが公表される内容の番組だったからだ。
番組の構成は、序章「口を閉ざしていた男」、第一章「ナチスに最も食い込んだ日本人」、第二章「日独伊三国同盟の黒幕」、第三章「封じられて
いた真実」、終章「A級戦犯として」の五章からなっている。
このテープ録音の取材者は国際政治学者、明大名誉教授の三宅正樹氏。1973年、「大島浩」から公表しない条件で録音が許されたとのこと。
取材先は神奈川県茅ケ崎の自宅。三宅氏の発言の中に大島は発言が自己弁解ととられのが嫌だといい、公表は大島の死後、夫人から許可が出た。
番組の冒頭、大島は「ヒトラーは天才であることは疑いないことでしょうかね。私こういわれたことがありますよ。実際、独裁者というのはつらい
ものだ」、「私はドイツの軍備を2回視察している。立派にできている。軍事力だけで勝つだろう。経済力、生産力の判断は全くやっていない。」
番組のコメントは「日本は大島がドイツから持ち込む情報を信じ込み、破滅の道をつき進む。強い発言力をもつ大島に異を唱える人は左遷される。
反対意見は封じられる。ナチスと日本を結び付けた、黒幕大島浩。」と。
第一章では「ナチスに最も食い込んだ日本人」。
甥の槙恒治は証言する。「性格は朗らか,陽性、らいらく、冗談が多い。」「洞察力があり、ドイツびいき、日本はドイツと一諸になれば怖いものは
ない」と。大島は1934年ベルリンの武官として赴任する。
第二章「日独伊三国同盟の黒幕」
大島は三国同盟の舞台裏を長時間、証言している。三国同盟を言い出したのが大島だと。「日本だって、シナ事変をやり、イギリス、アメリカにも睨まれていますから、おそらく日本政府は同盟に応じるだろうと。」コメントはいう。「三国同盟は1940年締結される。世界に戦果を広げることになる。」
第三章「封じられた真実」。独ソ戦争について、1941年、大島は公電でドイツ優勢の情報を流し続ける。コメントは「ソ連の抵抗は予想以上。
ドイツは苦戦」と。
《番組を視聴した感想》
父の影響から「大島浩」はドイツ語に堪能であったこと、ドイツを研究していたこと。
1943年に陸軍武官としてドイツに赴任、独外相のリッペントロップに会い、1936年(昭和11年)11月25日、日独防共協定に調印する。
1938年駐ドイツ特命全権大使になる。ヒトラーは心許せる存在、能力ある人物とみなす。ソ連を敵としてスターリン暗殺に資金面から関与する。
ナチス幹部から大島浩は気に入れられる。
1940年(昭和15年)9月27日、日独伊三国同盟に調印。1939年(昭和14年)ドイツはソ連と「不可侵条約」を結ぶ。
大島浩は情報を日本外務省に知らせず、大使を降格させられる。一民間人になる。それでも大島浩は三国同盟の黒幕となる。
「大島浩」は当時ドイツ優勢の情報を日本に送る。一方で日本の秋丸機関はドイツの戦争遂行能力を低下せざる負えないと報告する。
大久保利隆・ハンガリー駐在公使は大島と対立する。降格させられる。大島は権力を保持していた。
大島は東京裁判でA級戦犯として終身刑の判決が出る。しかし、1955年12月に釈放される。1975年6月6日89歳で死去。
大島はテープ録音で自分の責任を痛感し、日本の国論をミスリードしたと告白する。
「大島浩」は日独伊三国同盟を提案した人物であり、ナチスのユダヤ人撲滅を意図した愚かな戦争を引き起こし、国民の命を奪い、ヨーロッパを
第二次世界大戦の巻き込み、破壊と殺戮を引き起こしたナチスとヒトラーを礼賛した人物は許すことはできない。
大島浩は当時の日本の国民をミスリードした外交から戦争を先導した人物の一人である。
A級戦犯として極東軍事裁判で正当な実刑を受けるべきだったと思う。
大島一人に責任を負わせることではないかもしれない。天皇をはじめとする戦争指導者が責任を果たすべきだったと思う。
この肉声を聞いて、現在の日本の指導者も教訓とすべしと思ったしだいである。
2022.01.23 竹中美根子
◎バックステージ(MBSテレビ 1月16日 午後11時55分〜)
ご家庭に出張し、様々な家電トラブルをスピード解決してくれる家電レスキュー隊に密着。
大分県佐伯市は大分空港から2時間もかかる、高齢者がとても多い地域です。人口は7万人ほどですがそのおよそ4割が高齢者です。
どんな家電のトラブルでもすぐに駆けつけ解決するプロフェッショナルは家電のエトウ代表・江藤和起さんです。
この店は家電の販売を行う一方、総勢10名のスタッフが日々家電の故障や異変等様々なトラブルな対応しているのです。
お店で家電を購入するとスタッフが定期的にお客さんのご自宅へ7年間無料でメンテナンスしてくれるのです。
「玄関の照明を換えてほしい」と言う70代女性からの依頼を受けた江藤さんは、照明の交換を終えた後も冷蔵庫の引き出しの傾きを見つけ応急処置をしたりしていました。
テレビ・冷蔵庫・ドライヤー・洗濯機等様々な家電を修理していますが部品が無い為家電を預かる間代わりの品を無料で貸し出しています。
60年前にお父さんが始めた町の電気屋さん。父の代から地元に根付いてやってきた為佐伯市の人達を助けることが使命だと考えているのです。
町の電気屋さんて昔からのお店が多いですが、やっぱり受け継いで地元と繋がっているのですネ。
私も同じ大分県人ですが昔日田市に住んでいた1人暮らしな母親が電球を変える時も馴染みの電気屋さんに来てもらっていた事を思い出しました。
2021.12.
3 山村惠一(大阪)
◎ノーナレ「”地方紙は死ねない”▽国を動かしたスクープ裏側」(NHK 2021.11.27放送)
NHK秋田制作のナレーションなしドキュメンタリー番組。
防衛省の杜撰データーをスクープし、イージスアショアの配備計画を断念させた秋田魁新報社に密着取材。
この地方紙記者にジャーナリストの「基本の基」を見た。
秋田県新屋地区にミサイル防衛のイージスアショアの配備の計画がしめされ、住宅地に近接する住民の不安の声を背中に、わからないことは判るまで
取材し読者に知らせることを目指すなか、新屋地区が候補地として最適で唯一無二としている防衛省の報告にどこかおかしいと疑問を持ち、不適とした
男鹿市に出向き、ミサイルの探索電波が前方の山にさえぎられる角度が14度の報告データーが、実際には4度であったことを証左した。
配備計画が新屋ありきであったとのスクープとなった。
追っかけて、全国紙や国会でも追求が起こり、これは、(配備計画)変えられると記者が確信した瞬間であった。
現地に立った記者は、高校生時代の三角関数(サイン、コサイン、タンゼント)を思い出しながら、実際に現地に出向いて取材し確かめ証拠を示すことで、読者(世論)の信頼を得て、国の方針をも撤回させうる力をもつジャーナリスト、まさに「記事は足で書け」をみたと感じた。
省みて、このドキュメントを制作したNHKはイージスアショア配備計画にどう迫れたのかも問いたい。普天間移転に辺野古が唯一としていることでも同じことが起きているのではないか。